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千葉県スポーツ少年団 空手大会にトレーナー帯同|外傷対応と競技復帰判断の活動報告
10月4日、千葉県スポーツ少年団の空手「形・組手試合」にトレーナーとして帯同し、大会中に発生した外傷への救護対応を行いました。
今回の大会は小学生を中心とした子どもたちが多く参加する大会でした。
空手の試合中に発生する打撲などへの対応だけでなく、会場内での待機中や移動中など、競技以外の場面で発生する怪我もみられました。
会場は参加人数に対してスペースが限られており、試合コートのすぐ近くまで選手や関係者がいる状況でした。そのため、試合中の選手がコート外へ倒れ込んだ際に、待機していた選手が巻き込まれて負傷するケースもありました。
今回は、実際に救護対応を行った7件について報告します。
大会中の救護対応
① 右下腿外側の打撲|小学6年生男子
組手の試合中、蹴りを出した際に相手選手の肘でブロックされ、右下腿外側を負傷しました。
試合終了後、自力で救護本部まで来ることはできていましたが、右脚をかばうような歩行がみられました。
評価では、
・腓腹筋外側頭付近の圧痛
・右下腿外側から後面にかけての腫脹
・腓腹筋を伸ばした際の強い疼痛
・片脚立位困難
などを確認しました。
叩打痛やフルクラムテストでも症状がみられたため、単純な打撲だけでなく骨損傷などの可能性も考慮しながら対応しました。
救護所では約20分間アイシングを行いましたが、その途中から熱感と疼痛が増強したため、その後は包帯で固定。
保護者の方に状態を説明し、休日診療を行っている医療機関を探して受診していただくこととなりました。
会場内の移動についても歩行を避け、車椅子を使用しました。
② 左眼瞼部の打撲|小学3年生男子
試合出場を待ってコートサイドにいたところ、後方のコートで試合をしていた選手が倒れ込んできて接触し、左眼瞼部を負傷しました。
本人が競技をしていた際の怪我ではなく、会場環境によって発生した外傷です。
評価では、
・左眼瞼部の圧痛
・腫脹
を認めました。
一方で、
・眼の開閉制限
・複視(二重に見える症状)
・頭痛
・頚部症状
などは確認されませんでした。
約15分間のアイシングを実施した後、アンダーラップで圧迫用のパッドを作成し、自着性テープを使用して固定しました。
顔面への衝撃が加わっていること、本人も精神的に動揺していたことから、その後の試合出場は中止としました。
また保護者の方には、帰宅後に
・頭痛
・吐き気
・ふらつき
・意識状態の変化
などがみられた場合には速やかに医療機関へ相談するよう説明しました。
③ 右顎関節周辺の打撲|小学2年生男子
組手の試合中、相手選手の蹴りが右顔面に入り負傷しました。
評価すると、
・右顎関節周辺の疼痛
・開口制限
・強く噛み締めることが困難
・右頬部の腫脹
がみられました。
神経症状などは確認されませんでした。
約15分間アイシングを行ったところ腫脹は若干軽減しましたが、開口制限には大きな変化がみられませんでした。
側頭筋・咬筋周囲へのアプローチも行いましたが症状に変化がなかったため、無理に競技復帰させるのではなく経過観察としました。
保護者には、食事の際に顎へ大きな負担がかからないよう注意していただき、翌日になっても開口制限や疼痛が続く場合には、口腔外科などの医療機関への受診を勧めました。
④ 右母趾の爪周囲損傷|幼稚園児
会場内で足の親指を施設の壁付近にぶつけて出血したケースです。
爪周囲に圧痛と出血はありましたが、
・大きな腫脹なし
・荷重時痛なし
という状態でした。
患部を洗浄・消毒した後、テーピングで保護しました。
歩行や荷重に問題がないことを確認し、保護者にも状態を説明したうえで競技参加可能と判断しました。
⑤ 右母指の爪周囲損傷|中学生男子
試合中に相手選手の手を捌いた際、右母指が引っかかり、爪の間から出血しました。
評価では、
・圧痛なし
・叩打痛なし
・可動域制限なし
・腫脹なし
・爪の浮きなし
で、出血のみが確認されました。
洗浄・消毒を行い、テーピングで保護したうえで試合を継続しました。
⑥ 右背部打撲|小学生男子
組手の試合中、相手選手の蹴りが右背部に入り負傷しました。
脊柱起立筋周辺に圧痛があり、体幹前屈や左側屈で疼痛がみられました。
一方で、
・呼吸時痛なし
・介達痛なし
・空手の構え姿勢が可能
であり、競技動作自体は可能な状態でした。
身体的には競技継続が可能と判断しましたが、本人の競技への意欲が低下していたため、無理に復帰させず休憩としました。
⑦ 右脛骨粗面部の打撲|小学5年生男子
試合中、相手選手と同時に中段蹴りを出した際、相手の膝が右膝前面に接触して負傷しました。
評価では、
・自力歩行可能
・片脚立位可能
・脛骨粗面部の圧痛あり
・叩打痛なし
・膝関節の靱帯ストレステストで明らかな異常なし
という状態でした。
約20分間アイシングを行いました。
本人は試合への出場を強く希望していましたが、処置を行っている間に大会自体が終了したため、その後の競技復帰はありませんでした。
子どものスポーツ大会では「競技外の怪我」への備えも重要
今回特に印象的だったのは、空手そのものによる怪我だけでなく、試合を待っている際や会場内を移動している際にも怪我が発生したことです。
ジュニアスポーツの現場では、
・選手同士の接触
・コート外への転倒
・会場設備への衝突
・待機スペースでの事故
など、競技以外の場面にも注意する必要があります。
トレーナー帯同では、怪我が発生してから処置するだけでなく、「どのような環境で怪我が起こりやすいのか」を把握しておくことも重要だと改めて感じました。
「試合に出られるか」だけで判断しない
大会救護では、選手本人から「試合に出たい」と言われるケースも少なくありません。
特に子どもの大会では、本人だけでなく保護者や指導者にとっても大切な大会であるため、できるだけ出場したいという気持ちは当然あります。
しかし、トレーナーとして大切なのは、その場の試合だけを見ることではありません。
怪我の状態や受傷部位、症状の変化、競技を継続した場合のリスクなどを総合的に評価し、
「競技を継続してよいのか」
「その場で競技を中止すべきなのか」
「医療機関への受診が必要なのか」
を判断する必要があります。
今回も、処置後に競技を継続できた選手がいる一方で、医療機関への受診を優先した選手や、顔面へのダメージを考慮して競技中止とした選手もいました。
トレーナー活動を通じて現場で判断できる力を身につける
株式会社SAMONAでは、整骨院やパーソナルトレーニングジムでの業務だけでなく、スポーツ大会への帯同やアスリートサポートにも取り組んでいます。
スポーツ現場では、教科書通りの怪我だけが起こるわけではありません。
限られた時間や設備の中で状態を評価し、必要な応急処置を行い、ときには競技中止や医療機関への受診を判断することが求められます。
こうした現場経験は、柔道整復師やトレーナーとして外傷への対応力を高めるうえでも非常に重要です。
今後もSAMONAでは、スポーツを頑張る子どもたちや選手が安心して競技に取り組めるよう、現場でのサポート活動を継続していきます。
